超高齢化社会の日本では、より豊かな老後を送るためには公的年金だけでは足りないと言われています。
そこで、老後対策の一つとしてiDeCo(イデコ)という言葉をよく見かけるようになりました。
iDeCoとはどのようなものかご存じでしょうか?
「言葉は知っているけれど、よくわからない」「やろうとは思っているけれど、よいことばかりではない気がする」という人も多いのではないでしょうか。
iDeCoが自分に合ったものなのかどうかを知ることで、老後対策の一歩を進めることができるかもしれません。
今回は「初心者にもわかるiDeCoのメリット、デメリット!徹底解説!」と題し、まとめていきます。
iDeCoについて知ろう
iDeCo(イデコ)とは?
iDeCoとは個人型確定拠出年金という制度の愛称で、自分で作る年金のことです。
公的年金制度は日本に住む全ての人が加入する義務がありますが、iDeCoは私的年金制度の一つで加入は任意です。
iDeCoで積み立てた資産は公的年金にプラスして受け取ることができるので、より豊かな老後生活を送ることができるかもしれません。
iDeCoの特徴
加入条件
加入できるのは基本的に20歳から60歳未満の全ての人です。
以下の場合が該当し、その条件によって掛け金の上限が決まっています。
●第1号被保険者:自営業など 月額68,000円まで
●第2号被保険者:
企業型確定拠出年金のない会社の会社員・・・月額23,000円まで
企業型確定拠出年金に加入している会社員・・・月額20,000円まで
公務員・・・月額12,000円まで
●第3号被保険者:専業主婦(夫)など 月額23,000円まで
企業型確定拠出年金に加入している場合は、規約で「iDeCoに同時加入可」と定めている場合のみiDeCoに加入できるので注意しましょう。
加入方法
加入する場合は、iDeCoを取り扱っている金融機関を自分で選んで手続きをします。
銀行や証券会社、保険会社などでも取り扱っているので、自分に合った金融機関を調べてみましょう。
申し込み、掛け金を拠出、運用の全てを自分で行い、60歳以降に掛け金と運用益を給付として受け取ることができます。
iDeCoのメリット
所得控除がある
積み立てる全ての金額が所得控除の対象となるiDeCoの掛け金。
1月から12月まで拠出した掛け金の総額を1年間の所得から差し引くことができるため、その分の所得税と住民税が控除されて税金の負担が軽くなります。
年間数万円の節税だとしても、iDeCoは加入年数が長ければそれだけ節税効果が高くなります。
iDeCoの公式サイトでどれぐらい税負担が軽くなるのかシミュレーションできるので、試してみてはいかがでしょうか。
参考:イデコ公式サイト|個人型確定拠出年金iDeCo【公式】 (ideco-koushiki.jp)
所得控除を受けるには、年末調整や確定申告の際にiDeCoの申告が必要なので忘れないようにしましょう。
運用益が非課税
iDeCoでは金融商品を利用して運用益を得ますが、この運用益に一切税金がかかりません。
通常、約20%の課税となる預貯金の利息や投資信託の運用益。
例えば100円の利息が受け取ることができたとしても、そこから約20円は税金で差し引かれるということです。
iDeCoを利用すれば、税金として差し引かれる分も運用にまわすことができます。
受け取るときも税制優遇を受けられる
60歳以降に希望する方法で受け取ることができるiDeCoによる資産。
預貯金と違い受け取りの際には課税されるので、それをデメリットと考える場合もあるかもしれません。
ただし、受け取り時も一定額まで税制優遇があります。
年金として5年以上20年以下の期間、分割で受け取る場合は「公的年金等控除」が適用。
また、70歳までに一時金としてまとめて受け取る場合は「退職所得控除」が適用されま す。
運営管理機関によっては、分割と一時金を組み合わせて受給することも可能です。
iDeCoのデメリット
60歳になるまで引き出せない
iDeCoは老後のための資産づくりという制度です。
そのため、急にお金が必要になったとしても、解約して現金を受け取ることはできないので注意が必要です。
解約はできませんが、収入が少なくなった場合など拠出を止めることは可能です。
また、加入者が障害を負った場合や死亡した場合は一定の条件で受け取れることがあります。
元本が減るリスクがある
iDeCoは金融商品を自分で選んで運用しますが、投資信託などの商品の場合は価格が変動して元本が減るリスクがあります。
また、海外へ投資する投資信託の場合も為替が変動して元本が減るリスクがあります。
iDeCoでは元本保証の預貯金を選べる運用管理機関もありますが、より多くの運用益を期待できる投資信託の場合は資産が減る恐れもあるので注意しましょう。
手数料が発生する
iDeCoに加入する場合、その実施者である国民年金基金連合会に以下の事務手数料を払う必要があります。
- 加入、移換時手数:初回1回のみ2,829円
- 加入者手数料:掛け金納付の都度105円
- 還付手数料:その都度1,048円
これは決まった金額なので必ず払わなくてはいけません。加えて信託銀行に毎月66円の手数料がかかります。
iDeCoを扱う金融機関によっては「手数料無料」と表示される場合もあります。しかし、これは「開設する金融機関に実際払う手数料は無料で、上記の加入者手数料及び信託銀行手数料を合わせて毎月最低171円はかかる」ということなので気をつけましょう。
まとめ
以上iDeCoのメリット、デメリットについて解説しました。
老後資産を築くことができる上に節税対策も可能なiDeCo。
60歳になるまで引き出すことはできませんが、それは確実に老後のために積み立てることができるということかもしれません。
加入する前に、自分自身に合った制度なのかどうか一度確認してみるのはいかがでしょうか。