住宅費や教育費はどのように準備されているでしょうか?
例えば両親から贈与を受けることができれば、余裕を持って生活ができるかもしれません。
また両親にとっても生きているうちに子供や孫たちへ贈与することで喜んでくれる可能性もあります。
生前贈与や贈与税について知ることで、トラブルなく財産を受け継ぐことができるかもしれません。
贈与について知ろう
贈与とは
贈与とは、当事者が生きているうちに財産を無償で譲り渡すことを伝えて、相手方が承諾することで成り立つ契約の一つです。
つまり、与える側が「あげます」と意思表示をし、その上で受け取る側が「受け取ります」と意思表示をすることで成立するということです。
この意思表示は口頭でも構いません。
口頭で行った契約は各当事者が撤回することができますが、履行の終わった部分は撤回できません。つまり口頭で行った贈与契約でも、一度財産を渡してしまった場合、後から撤回はできないということです。
ただ、「言った」「言わない」などというトラブルを起こさないため、贈与契約は通常書面で行い、書面での契約は撤回することはできません。
贈与の種類
贈与の種類は、次のものがあります。
定期贈与
定期的に一定の金額を贈与すること
例:毎年100万円ずつ、10年間にわたって贈与するなど
負担付き贈与
- 贈与の受け取り側に一定の義務を負わせる贈与
- 受贈者が義務を負わなければ、贈与者は契約解除可
例:子供の世話をする代わりに不動産を贈与するなど
死因贈与
贈与者の死亡によって実現する贈与
例:贈与者が死んだら預貯金を受け渡すなど
- 死因贈与の場合のみ贈与税ではなく相続税が課税される
- 死因贈与は贈与者と受贈者がお互い合意の上で行われる
上の3つ以外の贈与 相続対策の一つ 贈与税とは、生前贈与があった場合に受贈者(財産を受け取る人)に対してかかる税金です。 2種類の贈与税 1月1日から12月31までの1年間に贈与による取得する財産の価額が110万円を超える場合、贈与税の申告と納税をしなければいけません。 また、基礎控除である110万円は受贈者それぞれ1人1人に対して毎年あります。 例えば あわせて読みたい: 【確定申告】ネットでもできる?期間、方法、対象になる人などわかりやすく解説 相続時精算課税贈与税の対象は、60歳以上の父母または祖父母から20歳以上の子または孫への贈与。父母または祖父母からの贈与で通算2500万円以下の受け取りであれば税金はかかりません。 ただし、贈与側である父母や祖父母が亡くなった場合は、贈与した財産に相続税がかかることになります。 将来相続税がかからない人にとってメリットが多い制度と言えるでしょう。 また、この制度は高齢者から若い世代に財産を移しやすくしようというのが目的です。 この制度を受けるには、贈与税の申告期間(贈与を受けた年の翌年の2月1日から3月15日の間)に届け出書を贈与税の申告書に添付して税務署に提出する必要があります。 一度この相続時精算課税を利用した場合は、暦年課税の制度には変更できません。 贈与税優遇には次のものがあります。 配偶者控除 婚姻期間が20年以上の夫婦の間で、自宅または自宅の購入資金の贈与があった場合には2,000万円以下であれば非課税となります。 この制度を受けるには税務署に贈与税申告をしなければいけません。 住宅取得等資金の贈与 父母や祖父母などの直系尊属から住宅を購入するための資金の贈与を受けた場合には、3,000万円以下は非課税となります。 教育資金贈与 父母や祖父母などの直系尊属から30歳未満の子や孫に教育資金の贈与を受けた場合には、1,500万円まで非課税となります。 結婚・子育て資金贈与 父母や祖父母などの直系尊属から20歳以上50歳未満の子や孫が結婚や子育てのための資金の贈与を受けた場合には、結婚資金は300万円まで、子育ての場合は1,000万円まで非課税となります。 特定障害者に対する贈与 特定障害者への贈与を受けた場合には6,000万円まで、その他の特定障害者の場合は3,000万円まで非課税となります。 贈与税は贈る側ではなく、受け取る側が贈与税を払います。 そして、基本的に贈与税は現金で一括納付する必要があります。 受け取った財産が、現金や預金であればそこから贈与税を納付すれば問題ないですが、贈与された財産が不動産の場合には別途現金を用意しなければならないので注意しましょう。 贈与税は相続税より税率が高いので、生前贈与の場合税負担が大きく見えます。 それは相続税の課税を免れるために贈与した場合、贈与した分に課税されるといった理由からです。 しかし、生前贈与は基礎控除以内であれば贈与税がかからないため、節税対策として少額ずつ分割して贈与すれば税負担が軽くなります。 また生前贈与では、法定相続人だけではなく第三者や法人にも贈与することが可能です。 生きている間に贈与者の意思に沿って財産を贈ることができるので、相続の際に遺言の解釈の違いで起きるトラブルが起きるリスクを抑えられるというメリットもあります。 生前贈与や贈与税について解説しました。 贈与する側は生きているうちに自分が希望する相手に財産を受け渡すことが可能ですし、贈与を受ける側は必要なときに費用を賄ってもらうことができます。 住宅購入や教育費がかかる時期に贈与を受けることで、贈与税の優遇を受けられるので、積極的に活用してみてはいかがでしょうか? 生前贈与
贈与税とは?
暦年課税贈与税
相続時精算課税贈与税
贈与税優遇の種類
贈与税の特徴
まとめ